Interview

いろいろな角度でまち・団地を”語る”専門家のお話。新たな一面が発見できるはず。

専門家が語る まち・団地への想い

百々武さん(写真家)と未来のカメラマンたち

写真家の百々武さんが、ご自身が教鞭をとるビジュアルアーツ専門学校の4人の学生と団地を撮影しました。学生たちの思いがこもった写真の出来栄えはいかがでしょうか?どの写真が一番好きか、みなさんもお気に入りを選んでください。

05-00プロフィール用

百々 武さん(どど・たけし)

1977年大阪府生まれ。1999年ビジュアルアーツ専門学校・大阪卒業。1999年イイノ・広尾スタジオ入社。2000年写真家ZIGEN氏に師事。日本の新進作家展「Voyages」東京都写真美術館など写真展多数。写真集「島の力」2009年(ブレーンセンター)、「草葉の陰で眠る獣」2015年(赤々舎)を発行。
ホームページ  http://takeshidodo.com/

懐かしさを感じる東豊中第二団地

今回参加してくれた学生は、田安仁さん、坂本えみりさん、新見真心さん、三明頼知さんです。集合場所に集まった4人は、もうすでにカメラを首から下げ、スタンバイOKの様子。すぐにでもシャッターを押したいという感じで、好奇心にあふれています。百々先生に、団地の撮り方のアドバイスを求めると、「みんな、安全に注意して、住民のみなさんのプライバシーには十分に配慮して、できるだけたくさん写すように。アングルを変えたり、被写体を考えて、とにかく、たくさん写せばいい!」と一言。
学生たちから「はい!」と元気な返事が返ってくると、クモの子を散らしたように学生たちが撮影を開始しました。

撮影:百々 武さん
撮影:百々 武さん

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東豊中第二団地は、高低差のある敷地に中層階の住棟が建っています。生活道路で東西に分断され、東側には中央に大きな広場と子どもが遊べる遊具が整備されています。
学生たちは、建物や遊具、足元の小さな草花、構造物の細かな所にも興味津々。同じ被写体でも様々な角度、アングル、写し方で撮影していきます。
広場につながる階段をじっくり撮影していた田安さんは、「この団地は建物が高くなくて、雰囲気がいいと思いました。人々が何度も上り下りする階段は暮らしている時間が伝わってくるようです」と、“暮らし”が見えるものに興味深々です。

撮影:田安 仁さん「段差」
 撮影:田安 仁さん「段差」

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豊中第二団地の西側に撮影の場所を移すと、学生たちが興味を示したのが公衆電話ボックス。最近ではあまり見ることができない分、学生たちには絶好の被写体になったようです。また、団地の中でひときわ目立つ給水塔にもカメラを向ける学生が多く、細く長く天に延びる姿をカメラに収めていました。
もともと団地に興味があり、一度撮影してみたかったという坂本さん。「同じようにデザインされた建物がきれいに並んでいるところが好きです。その中に公園や広場が整備されていて、守られているような感じになるので、団地の中に立っているとホッとします。今回は、なかなか機会のない経験なので、ワクワクしています」と、笑顔で話していてくれました。

 
 
雑木林の風景が残るシャレール東豊中

続いて、東豊中第二団地から歩いてすぐのシャレール東豊中へ撮影に向かいました。平成16年(2004年)から平成21年(2009年)にかけて建てられた比較的に新しい団地です。近隣に建つ民間の集合住宅と比べると、敷地がゆったりとしていて、どんぐり山、きのこ山と呼ばれる里山を思わせる丘もあります。

撮影:坂本 えみりさん「いろんな四角がかわいい団地」
撮影:坂本 えみりさん「いろんな四角がかわいい団地

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撮影:百々 武さん

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撮影:百々 武さん

「なかなか上手く構図が決まらない」と話していた三明さんは、団地内のカラフルな色使いに注目して撮影したそうです。

撮影:三明 頼知さん「団地の壁面がユニークで住んでみたいと思わせる」
撮影:三明 頼知さん「団地の壁面がユニークで住んでみたいと思わせる」

「自然もたくさんあって魅力的な団地だと思います。団地には、勝手に入って撮影してはいけないと思っていますので、今回のようなチャンスはすごくうれしいです。垂直にきちんと立っている団地なので、僕もフレームの中でタテとヨコのラインをきれいにするよう心掛けて撮りました」と、話していました。

この日は、住民のみなさんも足早になるような寒い日でしたが、新見さんは、近づいている春を意識した写真を撮影してくれました。

撮影:新見 真心さん「気持ちの良い光が差す白い建物」
撮影:新見 真心さん「気持ちの良い光が差す白い建物」

「もっと暮らしの雰囲気を写せるように勉強したいです。今回は春らしい光を上手に写し込んで団地の未来を明るく表現しました」と、語ってくれました。季節ごとに変わる団地の表情を撮影するのが楽しみだそうです。

「春休みや日曜日は、子どもたちの歓声で賑わっているでしょうね。次の機会には、ぜひ、子どもたちと遊びながら写真を撮るのもやってみたいな」と、百々さん。
学生と一緒にみんなで撮影することで、お互いの撮り方をみて勉強になったみたいです。

撮影:百々 武さん
撮影:百々 武さん

最後に、どんぐり山を案内してくれた自治会長の鈴木さんを囲んで、きのこ山で記念撮影して、今回の撮影は終了となりました。

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参加してくれた学生たちは、百々武さんの下で写真を学び始めてちょうど一年が過ぎたところで、自分自身の考えや思いを写真で表現することに喜びを感じはじめています。「団地」という被写体は、建築的な美しさ、様々なデザイン、人々の生活、暮らし続けている時間など、様々に描写することができます。学生たちも、団地の中で心に留まる何かを求めてシャッターを切っていました。
1枚の写真で、心を伝える。写真の下に記したタイトルは、撮影した学生が写真を通して伝えたいメッセージです。このページに掲載できなかった多くの写真は、美団地のFacebook『美団地に住もう。』に掲載しますので、ぜひご覧ください。

Facebook 美団地に住もう。 https://www.facebook.com/vidanchikansai/

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